自己決定とリハビリテーション

みなさんこんにちは、理学療法士の山崎です。台風が通り過ぎて、暑さも和らぎましたね。むしろ最近はちょっと朝晩冷え込んできました。


 さて今日は、訪問業務の移動中によく聞いているバイリンガルニュースから気になるニュースを聞いたのでピックアップしてみました。
神戸大学と同志社大学の研究チームは2万人の日本人に対して幸福度の調査を行い、様々な質問をすることで、所得、学歴、健康、人間関係、自己決定を説明変数とする分析を行った。その結果…(中略)…幸福感を決定する、健康、人間関係に次ぐ要因としては、所得、学歴よりも自己決定が強い影響を与えていることが分かった。自分で人生の選択をすることが、選んだ行動の動機付けと満足度を高める、それが幸福感を高めることにつながるのであろう。(一部抜粋)
 この研究報告から考えますと、日本人において「自己決定」する行為は幸福感や満足度を高めるためにとても重要な行動と考えられますね。これをリハビリテーションに置き換えて考えると、目標設定に利用者さんの意思(自己決定)があるかどうかによってもリハビリによる幸福感や満足度が変わってくる事が考えられます。
 
 病院とは違い、当事業所は訪問リハビリを行なっているため目標設定も生活の中でのより具体的な内容になる事が多い印象です。もちろん訪問リハビリの目標や治療方針においても利用者さんの意思(自己決定)に基づいて設定することが望ましいと思います。
 
 《良薬は口に苦し》
 
と言うことわざが確かにありますが、利用者さんの中には「ストレッチは痛い方が効く」や「苦しみを堪えてやればやるほど良くなる」と言うような間違った知識を持たれている場合があります。前向きなコメントはとても心強いのですが、誤った理解に基づいて目標設定を行うと、なかなか目標を達成できなかったり、最悪怪我や能力低下を招いてモチベーションが下がってしまうことも予想されます。こうなった場合は携わる専門家としてはやはり残念です。
 
「今後、どのような改善、経過をたどるのか?」
「どのような事をすれば、もっと自宅で動けるようになるのか?」
 
などの専門家による評価、経験や知識に基づいた情報を利用者さんと共有する事が適切な利用者さんの自己決定を導くことが可能になると思います。
 
つまり、利用者さんとの目標設定には私たちのような専門家が適切なアドバイスを提供する事はとても重要であり、その上で利用者さんの自己決定による目標設定を行うことが何よりも大切ではないかと感じました。
 
正しい目標を設定すれば、達成した時の充実感は素晴らしいものと思います。モチベーションを高めるためにも、そんな時には自分へのご褒美を設定するのも良いですね!
自分へのご褒美…いい響きですね!と、とりあえず自分は今週頑張ったらMALGA gelatoのアイスでも食べることにします!
それではまた。